枇杷


茱萸





庭には
それぞれの木の実が 結び



生命力にあふれている。




末期癌の義兄は 
お庭に面したベットの上で静かに眠っていた。




いつも元気な笑顔で迎える姉は・・・


哀しみと受け入れきれない事実に、無表情で迎えた。




花は散り


青い実は いつか熟す。




人は・・・


死と向き合う時 


こんなにも 平静になるのだろうか・・・




そして


大切な人を失う事 が、避けられない時


人は 出来る限り以上 の、 愛 を、


さらに さらに と 葛藤する。




新しい病院に行く準備は 辛い決断。
姉の気持ちの万分の一でも 理解できただろうか・・・





暖かいタオルでお顔と坊主頭を拭いてあげたら、
気持ちよさそうに、
口に運ぶヨーグルトを美味しそうに食べてくれた


お義兄さん。



この庭は 命が溢れていて


本当に 美しいね。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・