花 一重

桜ちり


 春の暮れゆく 物思ひも 


  忘られぬべき 山吹の花
                  藤原俊成  


(通釈:桜が散り、春が暮れてゆく憂鬱も、思わず忘れてしまいそうなほど美しい山吹の花)







冷たい春の雨の日   

 
大きな枝の下の水溜りに
薄桃色の花びらが広がっていた・・・


まだ春は終わってないのに
 桜が散ることに哀しみを感じるのはなぜだろう・・・




そして わたしは、
大好きな 一重の山吹の花 に出会った。
清らかさとやさしさの中に 潔さ を感じた・・


同じ日の夜のこと。






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