素敵なひと・ルーシー・リーに魅せられて

今、国立新美術館ルーシー・リー展を開催しています。



ウィーン出身の陶芸家で1979年に亡くなる数年前88歳まで独特の美しい作品を、ろくろと電気式陶芸窯から世に送り出しました。ウィーンの裕福なユダヤ人家庭にそだった彼女は戦禍を逃れる為にイギリスに渡りましたが、時代に受け入れられるまでボタン制作したりとても苦労しました。



彼女の芸術性に魅せられた三宅一生氏は、迷った時、ルーシーに会うたびに言われた
「今がスタートよ。これから何だってできる」のメッセージに刺激を与えつづけられたそうです。
そして、彼女の没後、600を越える陶器のボタンとその鋳型を遺言によって贈られています。




独特な高台が高い器・毅然とした中にも優美な曲線を描くフォルム。
美しい色彩は、長年研究し緻密に計算された釉薬から。
彼女の生き方そのものを感じた一日でした。



イギリスに渡った当時、共にユダヤ人として仕事を求める中、オートクチュールのボタンづくりをしていた若者、後の20世紀イギリス陶芸界の巨匠ハンス・コパ−とは、強い友情に結ばれ影響を与えあいながら作品を作り続けました。
彼が誕生日に送った手紙が、彼女の人間性を表しています。




・・・あなたがあなたでいてくれることが私達の幸せです・・・・と




ウエッジウッド社の注文作品が販売されないと決まった時、契約金ではなく、全ての試作品を手元に戻すことを望んだなんてカッコイイと思いません?
「2009年1月5日、経営破綻したウエッジウッド社は、同年3月、ニューヨークを本拠地とするKPS キャピタルパートナーズ社によって設立された新会社ウォーターフォード ウェッジウッドに買収されました。」



彼女の作品が世に出ていたら・・・・シンプルで素敵なんです。^^




ルーシー・リー・・・素敵な歳を重ねた人生。
あなたの作品に出会えたことは、今のわたしに、勇気を与えてくださいました。

http://www.lucie-rie.jp/index.html