チェ 39歳 別れの手紙
エンドロールが音も無く静かに流れ初めていきます。
自分も周囲の人も、席を立つのはしばらくしてからでした。
ひたむきに、真剣に革命に向かって突き進むチェ・ゲバラは、結局、キューバではなく、新たに革命の地として選んだボリビアの田舎のそまつな小屋の地を最期に目にしながら人生を閉じます。
農民の視線の先で、ヘリコプターの側面にくくられ荷物のように運ばれていく彼の肉体。
あっけないくらいのラストです。
捉えられた時、見張りの兵士がききます。
「共産主義でも宗教はあるのか?」
「ある」
「あなたはどんな宗教を信じてきたのか?」
「私は、ただ人間を信じて生きてきただけだ。」
彼の純粋なひたむきさが、淡々と進むシナリオと、時々現れる、真昼の鮮烈な映像美に重なりました。
確かに彼は何かを始めていたんだ・・・